支援学校は高校1年生から職場体験

 

 特別支援学校高等部での就職へのプロセスは、学校によって多少の違いがあるものの、1年生の段階から、年に2回、企業や商店での実習を2週間ずつ行って、様々な職種を経験していきます。そのうえで自分の適性や希望、雇用してくれる企業があるのかなどを検討し、就職活動に結びつけていきます。

 渡辺さんの次男は、1年生の実習で老人ホームとスーパーに行きました。実習先は、受け入れに慣れており、また賃金も発生しないため、「お客さん」的な扱いになってしまったようです。働くことに慣れさせようとしてもアルバイト禁止で、実習だけでは新しい環境や仕事にうまく適応できるのか不安を抱えています。

 また、次男が通う学校は比較的新しい学校のため、実習や就職先の開拓が十分なのかも心配だと言います。

 そしてもう一つの不安は、過去の実績として5%と説明された正社員率です。ほとんどの卒業生は、時給計算による非正規雇用という雇用形態です。

 「障害がある人は、がんばってもアルバイトやパートでしか雇ってもらえないのですかね」